急逝    

1998年5月1日、hideはSpread Beaverのメンバーと共にフジテレビ音楽番組「ロケットパンチ!」の収録を行う。


hide - rocket dive 1998.05.01の様子  この数時間後・・





その打ち上げ後、日付をまたいで更に飲み、泥酔したhideは実弟でマネージャーの松本裕士が運転する車で自宅マンションまで送られた。

5月2日朝7時30分頃、hideは自宅マンション寝室のドアノブに掛けたタオルで首を吊った状態で発見された。その後、病院に搬送されたが午前8時52分に死亡が確認された。

当日午後3時頃から、一斉に「元X JAPANのギタリストhideが死亡、警視庁は自殺と断定」と速報で報道された。

警視庁が自殺と断定した根拠は、ドアノブにタオルを巻きつけて首を吊った状態で発見されたという状況証拠である。

そのためニュースやワイドショーでは自殺したものと扱われた。

しかし、当初から事故死だったのではないかという見方が出ていた。

hideの自室には遺書がなかった事、死去前に自殺するような印象を残していなかった事、直前にも自殺を感じさせる兆候はなかったと証言されている事、生前のインタビュー、死去の数日前にhideが都内に建てるスタジオの土地の仮契約をしていた事、などといった理由がこれに関連する。


「ピンクスパイダー」の一連の歌詞について「自殺」と関連付けられる説もあるが、これについてはhide自身が雑誌等で「『ピンクスパイダー』の歌詞は『世の中そんなに甘くはない』という挫折と失敗を表した歌。『若いうちは後先考えず突き進め』というメッセージを込めた「ROCKET DIVE」、『人間何度でもやり直せる』という再生・再起の意味を込めた「ever free」と合わせて3部作の1つとして聴いて欲しい」と語るなど、死を意図したものとは位置付けられていない。


後に発表された松本裕士の見解は、「ギタリストである彼は、職業柄肩こりが激しく眠れない事もあったほどで、タオルなどで肩を吊ってマッサージしていたという。これは、スポーツ選手などがよくやる牽引(タオルを首にかけて引っ張る方法)である。死去直前の5月2日未明まで酒を飲んでおり泥酔状態でそれをしてしまった為、そのまま眠ってしまい、結果事故死した」というものである。事実、彼の亡くなる数時間前に撮影された「ロケットパンチ!」でのインタビュー中、(ギターのストラップのあたる左肩が痛いのか)特に左肩を揉むしぐさを頻繁にしている。


「HURRY GO ROUND」の歌詞や、ラジオ番組「オールナイトニッポンR」での発言が意味深長で自殺に関連するのではないかという見方や、はたまた事故ではなく自殺だと断言している人間の存在までもあり、様々な見解がある。

警察は雑誌取材などに「『牽引』にしては首の輪が小さく、むしろ死を意図するものであった。

また、『バンドや音楽活動で悩み酒量が増えていた』と聞いており、突発的に死に踏み切ったのだと思われる」と答えている。

なお、YOSHIKIは「彼は自殺するような人間ではない」と発言している。

死去後に時間が経過してからは、テレビなどでhideを取り上げる際には「自殺」、「事故死」という言葉を使わず、「急死」または「急逝」とされている。その理由は「自殺、事故どちらも断定するには曖昧であるから」とされる。

奇しくもhideの死が報じられた其の日の深夜、NHK総合テレビジョンにてX JAPANの東京ドームライブ(1997年12月31日)の特別番組が放送された。